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story

2019年上海。

かつての愛の執念が、

男を恋に狂わせる。

幼いときに両親を亡くした優彦は、祖母と二人暮らしをしている。目標もなく、怠惰に生きる優彦のことを幼馴染みで恋人のユイは心配していた。ある日、優彦は古い本の間から母ユーリの写真を発見する。その1枚の写真に異常な関心を持ち、取り憑かれたようになってしまう。優彦の中で記憶のほとんどない母親に自身がなりたいという願望が芽生えるようになる。

 

2019年、優彦は上海行きを決意する。ユウと名乗りゲイクラブで働き、貯めた金で整形手術を試みる。ある日、クラブの撮影で写真家のシンと知り合う。「未来を映すことができる」と語るシン。優しくに接してくれるシンに、ユウはいつしか惹かれ始めていた。そんな中、母の写真が上海のとあるジャズクラブで撮影されたことを突き止める。母の過去を探るうちにいつしかユウの中にユーリの記憶が蘇るようになっていた。結ばれ激しく燃え上がるユウとシンだったが、一方で素顔を見せないシンの態度に何かあるのではないかと疑心暗記になっていく。そんな中、ユウがジャズクラブのオーナーを刺すという事件が起きる。

 

帰ってこない恋人を心配してユイが上海までやってくる。変わり果てた優彦を見て驚くが、それよりも全てを受け入れようとする強さを見せるのだった。一方、日に日に嫉妬心が強くなるユウと、シンの関係には陰りが差していた。ある日、シンは自分の母親に会って欲しいと言う。そこでユウは衝撃的な事実を知ることになる。

 

ユーリとユウ、シンとユイの人生が30年の月日を越えて交差しはじめる。

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