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映画「ピンクルージュの男」に寄せて

                 宮本和英(月刊デジタルファクトリー代表)

 

 架空の映画企画は世界中に無数にある。映画を志す人の数以上に。女優・作家の睡蓮みどりと写真家の小森裕佳、同い年の二人も映画の夢を語る仲良しにすぎなかったかもしれない。ところが、二人で上海に遊びに行った一瞬が、彼女たちに一歩を踏み出させた。自分達の出来る事から始めようと。

 

 撮ったり撮られたり、ものを書いたり、一緒に旅をしたり、いつも二人がやっている事が、映画への第一歩だったと、気付いたのだ。

映画製作にはお金がかかる。当然だ。だからお金がないと何も進まない、となってしまう。お金ありきで考えたら、何も進まない。それではツマラナイじゃない!

 脚本を書き、イメージ写真を撮り、予告編を作り、ポスターやチラシをデザインして、さあ、あとは本編だけだ! これって、映画作りへの素晴らしいアプローチではないだろうか。

 アップリンクギャラリーで始まるこの展覧会は、きっと、まだ見られない本編を熱く語る内容になるだろう。それは、架空ではないとても楽しい映画企画だと僕には思えるのだけど、ねえ、そうじゃない?

                         

 

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